ホルモンをつくる内分泌臓器

ホルモンをつくる内分泌臓器

全身いたるところでホルモンはつくられると言いましたが、主な内分泌臓器を参考までにあげておきます。

  • 脳下垂体は、両眼と両耳を結んだ線のところに脳にぶら下がった形で小指の先端ほどの小さなホルモン臓器です。8種類ほどのホルモンが出て、全身の内分泌臓器にはたらくことから、ホルモンの司令塔ともいわれます。
  • 甲状腺は、のどのところに左右にまたがっており、全身の代謝を調節します。その甲状腺の左右、上と下の端に、マッチ棒の先ほどの大きさの副甲状腺、上皮小体があり、カルシウム代謝を調節します。
  • お腹では、ソラマメ型の左右の腎臓の上にかぶさる形で、平たい三角お結び型の副腎があります。皮にあたる表面部分は皮質といい、血圧維持やストレス時に必要なステロイドホルモンがでます。中身の部分は髄質と呼ばれます。
  • 膵臓は、深いところにありますが、消化液をだす外分泌のほかに、内分泌細胞が集まったラ氏島が広くちらばっており、インスリンやグルカゴン、ソマトスタチンといったホルモンにより糖代謝を含めた物質代謝の調節をおこなっています。
  • 胃や腸には消化管ホルモンとまとめて呼ばれる多数のホルモンがつくられ、消化吸収や消化管の運動調節や血糖調節をしています。
  • 腎臓からは、赤血球をふやすエリスロポイエチン、血圧関連のレニンというホルモンがでます。
  • いままでポンプ作用しか知られていなかった心臓や血液を流す管である血管からも、ナトリウム利尿ペプチドや血管収縮作用をもつエンドセリンなどのホルモンがでています。また、体のエネルギー貯蔵倉庫である脂肪においても、数々のホルモンが見つかっています。


意識はエネルギーです。また、意識は光より高速に移動するエネルギーであり、身体の細胞が調和を見いだすことで知ることができます。(空海ウオーク体験知)

感覚を通してはじめは生み出されるのですが、意識がエネルギーだと自覚すれば、それが身体の細胞と共振・共鳴を起こします。体験では足の裏からエネルギーが発生してきました。熱として感覚がとらえます。

それは、量子力学的に考えると、身体の細胞の振動として感じ取れます。原子や電子といった極微小な粒子だけでなく、人間の思考や感情も同様に波動として存在すると考えられます。

また、脳から意識エネルギーが発せられたときは、脳内に留まらず60兆もの細胞を振動させるのでしょうか。それは感覚として自覚したのは、四国88寺の墓地をめぐる空海ウオークの体験からです。


空海ウオークは死した魂との出会い

寺から寺の遍路道を歩き、88ケ寺ごとに7度、般若心境を唱えます。眼識・耳識・鼻識・舌識・身識・意識の6識の奥に8つ目の識の存在することが自覚されました。それは60兆の細胞の音楽のようでもありました。思考回路とは、60兆の細胞のオーケストラと宇宙との共鳴と感得しました。

今、地球は意識がどんどん自由になる時代を迎えました。
多様に、さまざまな選択肢を持って、
自分なりの人生を自由に生きられる時代です。

そんな新時代を生きるために必要なのが、松果体です。
松果体が、活性しているかどうか。
「第三の目」が覚醒しているかどうか。
それが、大きなカギを握っています。

新時代は、5次元の時代とも言えます。
自分の「思い」が加速して、現実になる時代です。
ということは、どんな「思い」を持って生きるかが大事。
愛にあふれている人は、愛にあふれる人生を生き、
暗く批判的な思いを持っている人は、そういう現実を生きることになります。

愛にあふれた人生を歩むためにも、本来の自分を取り戻しましょう。
松果体を活性化させ、第三の目が覚醒されると、
まさに、自分は宇宙とつながっている存在であることが、実感できます。

松果体が活性化し、第三の目が覚醒された人は、
人脈が総入れ替えになり、
思いがけない出来事によって、どんどん人生が転換していくでしょう。

また、願いや思いが加速して現実となったり、
あなたの魂を知る人との出会いが訪れたりもします。

しかし、頭(思考)ばかりを使って生きていると、
松果体は、どんどん石灰化されて、第三の目が開く機会を失っていきます。

本書では、松果体を活性化するために必要なことを紹介しています。
また、松果体を鈍らせてしまう日常の習慣も紹介しています。
さらに、「アロマ」「クリスタル」「音楽」「「歌」「ハンドヒーリング」「瞑想」「カタカムナ」……
などを使って、松果体を活性化する方法も詳しく紹介しています。

私たちは、自身が持つエネルギーを、もっともっと、多様に使うことができる存在です。
自分が奇跡的な存在である、と信じることができる人は、
すでに松果体が活性化し、第三の目で世の中を見られている人です。

松果体は宇宙とつながるアンテナです。

ぜひ、あなたもアンテナを立て、宇宙の流れをキャッチして、
自分なりの愛の人生を生きましょう。

越智啓子(おちけいこ) 精神科医。東京女子医科大学卒業。東京大学附属病院精神科で研修後、ロンドン大学附属モズレー病院に留学。帰国後、国立精神神経センター武蔵病院、東京都児童相談センターなどに勤務。1995年、東京で「啓子メンタルクリニック」を開業。99年沖縄へ移住。過去生療法、アロマセラピー、クリスタルヒーリング、ハンド&ヴォイスヒーリングなどを取り入れた新しいカウンセリング治療を行う。現在、沖縄・恩納村にあるクリニックを併設した癒しと遊びの広場「天の舞」「海の舞」を拠点に、クライアントの心(魂)の治療をしながら、全国各地で講演会やセミナーを開催し人気を呼んでいる。著書は本書で40冊にのぼる。おもな著書に『祈りの奇跡』『笑いの秘密』『龍を味方にして生きる』(すべて廣済堂出版)などがある。

間脳の機能・概略

間脳(かんのう)は、脳幹の中で第三脳室を囲む脳部位を言います。嗅覚を省き感覚伝導路として大脳皮質に多くの線維(神経細胞)で結ばれています。自律神経の働きを調節、意識・神経活動の中枢をなしています。
  (詳細は、表の下線の部位をクリック)


間脳のおはなし
視床

間脳 の 主な役割 ( 機能 ) 

部位名 役割
間脳視床全身の感覚、視覚、聴覚などの感覚入力知覚刺激情報を認識し、大脳皮質、
大脳基底核に伝達。    
視床下部自律神経系の中枢で調節・中継の部位と本能を司る。
体温調節、抗利尿ホルモン、血圧、心拍数、摂食行動や飲水行動、性行動、睡眠、
子宮筋収縮、乳腺(にゅうせん)分泌などの本能行動、及び怒りや不安などの
情動行動(大脳新皮質と辺縁系皮質)の調節。
また、内分泌(ホルモン)系の中枢も担っています。
 松果体概日リズムを調節するホルモン、メラトニンを分泌。
 脳下垂体内分泌器官で数多くのホルモンを分泌。効率よく血流に乗って全身に運ばれる。
脳室側脳室 大脳半球内のものを側脳室(左側脳室・右側脳室と2室存在)脳脊髄液により
各脳部位へ
栄養補給、
酵素を補給と
衝撃よりの
クッション。  
第3脳室 間脳内のものを第三脳室。
第4脳室  脳幹と小脳の間にあるのを第4脳室。

間脳

間脳 ( 自律神経の調節・中継部位 )

間脳(かんのう)は、視床、視床上部、視床下部、視床後部、脳下垂体に区別され自律神経の働きを調節、意識・神経活動の中枢をなしています。

視床は、嗅覚(きゅうかく)系以外の感覚神経が大脳皮質の感覚中枢に到達する中継場所です。

視床下部は、内臓の働きや内分泌の働きを支配し、生命現象を司る自律神経系の中枢として知られています。
感情や情動の活動と密接な関係があり、大脳皮質全域(大脳皮質と辺縁系皮質)の調整の中枢です。
また、抗利尿ホルモンや、子宮筋収縮および乳腺分泌を促す筋上皮細胞収縮のホルモンなど分泌する神経細胞が存在します。

視床後部は、外側漆(がいそくしつ)、状体(視覚中継中枢)で構成されています。

松果体は、メラトニンホルモンを分泌。

脳下垂体は、数多くのホルモンを分泌。

外側漆状体(視覚中継中枢)は、網膜からの視覚情報を受け取り後頭葉の一次視覚野へ中継しています。

内側漆状体(聴覚中継中枢)は、聴覚情報を側頭葉の聴覚野へ出力しています。 
間脳のおはなし 
間脳の位置
出典画像:Anatomography
間脳のおはなし 

間脳~脊髄の位置図

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視床

視床 ( 視覚、聴覚、体性感覚の入力中継部位 )

視床(ししょう)は、間脳の一部を占める部位です。
嗅覚を除き、視覚、聴覚、体性感覚などの感覚入力を大脳新皮質へ中継する重要な機能を司ります。
また、背側視床,視床下部,腹側視床,視床上部と呼ばれる四つの部分から成っていて、視床下部と視床上部には,中枢神経系内の内分泌器官である脳下垂体と松果体が位置する。

視床の前腹核
4つの核(前背側核、前腹側核、前内側核、背外側核)からなる。
乳頭体、海馬、帯状回から入力を受け、大脳辺縁系へ出力する。情動や新しい記憶と関連する。

視床の外側核
3 つの核からなり、感覚情報を大脳皮質の体性感覚野へと中継する。
 ・前核 (VPI)
 ・外側腹側核 (VPL)は、上小脳脚から受け入れるとともに、前頭葉の運動領に出力。
 ・内側腹側核 (VIM)は、前頭葉、頭頂葉、運動野、視床下部、線条体などへ出力。
感覚に基づく情動に関係し、この部分が侵されると強い不安状態、痛みなどを感じる。また、視床下部から自律神経系にも作用。
内側髄板・外側髄板の間にある核は、体性感覚の中間中枢で錐体外路系に属する。

視床の内側核
前頭葉、頭頂葉、運動野、視床下部、線条体などへ出力。感覚に基づき前頭葉に出力して痛みなど情動に関係、この部分が侵されると強い不安状態に陥る。また、視床下部から自律神経系にも作用する。CM-Pf複合体を形成し線条体や運動野に投射。

外側膝状体(がいそくしつじょうたい)
視覚情報を受け取り後頭葉の一次視覚野 へ中継を行っている。

内側膝状体(ないそくしつじょうたい)
聴覚情報を側頭葉の聴覚野へ送る。

幻視、幻聴、妄想、認知機能障害(統合失調症)の患者には、視床のドーパミントランスポーター(DAT)の機能に変化があり、健常者より30%のDAT増加がみられるとの報告があります。一方、視床のドーパミンD2受容体の量が減少しているとの報告もあり、視床のドーパミン神経系の過剰活動が、情報の統合に乱れを生じさせていると考えられる。また、振戦の原因部位と考えらえられているます。パーキンソン病薬(L-dopa、ドーパミンアゴニスト)の過剰な服薬により幻視、妄想が出現するとの報告もあります。

パーキンソン病の運動症状の出現は、Braak仮説によると、抗α-シヌクレイン抗体を用いて高齢者の中枢神経系におけるLewy小体の分布を詳細に検討、Lewy小体はまず嗅球に出現、迷走神経背側核(延髄)、視床と、その後、下部脳幹(橋)、中脳黒質、扁桃体へ上行進展して発現させる。
また、Zaccai博士の報告によると扁桃体に優位にLewy小体が分布しているとの報告もある。
腹側被蓋野
大脳基底核と視床・下核の位置図 


間脳のおはなし
 間脳のおはなし間脳のおはなし間脳のおはなし
視床の位置
出典画像:Anatomography

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視床下部

視床下部 ( 自律神経系調整部位 )

視床下部(ししょうかぶ)は、内臓の働きや内分泌の働きを制御し、生命現象をつかさどる自律神経系の交感神経・副交感神経機能および内分泌機能を全体として総合的に調整しています。
体温調節、抗利尿ホルモン、血圧、心拍数、摂食行動や飲水行動、性行動、睡眠、子宮筋収縮、乳腺分泌などの本能行動、怒りや不安などの情動行動(大脳皮質・辺縁系皮質)の調節、自律神経系をコントロールする中枢の役割の他、内分泌(下垂体ホルモンの調節)の中枢も担っています。
(呼吸運動や血管運動などの自律機能は、中脳・橋・延髄で調節される)

前頭前野、扁桃体、海馬、脳幹からの働きによって制御され外界からの刺激に対して、それらが身体にとって益になるか害になるかの価値判断を扁桃体が行ない益になると判断された時には生体に快の情動が起こり、反対に害と判断されると不快の情動を起こす。
視床下部が司る自律機能は前頭前野(内側面皮質・眼窩前頭皮質)から直接的に働きが起こる。
扁桃体からの働きもあり重複している。また、前頭前野への働きも広く分散している。

室傍核(オキシトシンを産生)、視索の背外側および腹内側にあるバゾプレッシンを産生する視索上核(バゾプレッシンを産生)、視索前核(ペプチドGnRH)分泌、空腹中枢を含む背内側視床下部核(背内側核)、満腹中枢を含む腹内側視床下部核(腹内側核)、交感神経と連絡する後核、大脳辺縁系と連絡し、感情形成に関与、嗅覚と自律神経と関係する乳頭体核、外側核群にある交感神経と連絡する外側核、その他に視床下部の後外部に視床下核がある。

分泌ホルモンの種類
 ・CRH(副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン) 
 ・GHRH(成長ホルモン放出ホルモン)
 ・GIG(成長ホルモン抑制ホルモン)     
 ・GnRH(生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン)
 ・PRF(プロラクチン放出因子)       
 ・PIF(プロラクチン抑制因子)
 ・TRH(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン)  
 ・SAS(ソマトスタチン)
間脳のおはなし  間脳のおはなし間脳のおはなし
視床下部の位置
出典画像:Anatomography


視床下部
自律神経の中枢は視床下部ですが、視床下部は大脳辺縁系や大脳皮質から直接的・間接的に影響を受けています。外部からの刺激によって、ある情動が生じると大脳辺縁系から視床下部に情報が伝わり、それにより視床下部は自律神経に、身体の各器官を適切な状態にするように指令を出します。
例えると、歩いていて脇道から急に自動車が飛び出してきたら、大脳辺縁系に恐怖の感情が生まれ、その情報が瞬時に視床下部に伝えられ、それを受けた視床下部が自律神経に指令を出し、交換神経が興奮することにより、急に血圧が上がり、心臓が早鐘を打ち、冷汗が出、全身の筋肉が収縮します。生命の危機を感じた脳の情報を受けて、自律神経を通じて全身が危機に対応するよう瞬時に変化します。この様に視床下部は本能的欲求や情動をつかさどる大脳辺縁系からの情報によって、自律神経をコントロールします。

また、視床下部は大脳皮質からも間接的に影響を受けます。
例えば、サスペンスやホラーの小説や映画を観てドキドキしたり、好きな異性から声を掛けられたら胸が高鳴るのは、その一例と言えます。

ストレスを受けるとその情報は、視床下部 → 脳幹(縫線核) 脳幹のセロトニン(神経伝達物質)の働きが弱くなり精神症状(うつ病やパニック症)の引き金に成ります。

  内分泌部位 と 分泌ホルモン・視床下部
・脳下垂体視床下部 ・性腺刺激ホルモン放出ホルモン
 (Gonadotropin releasing hormone, GnRH)
・甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン
 (Thyrotropin-releasing hormone, TRH)
・ドーパミン(Dopamine)
・クリプトクロム(Cryptochrome, CRY)
・成長ホルモン放出ホルモン
 (Growth hormone releasing hormone; GHRH)
・ソマトスタチン( Somatostatin, SST)
・オレキシン (orexin,ORX)
・平均赤血球ヘモグロビン
 (Mean Corpuscular Hemoglobin,MCH)
・メラニン細胞刺激ホルモン (MRH)
・脱皮抑制ホルモン (Molt-inhibiting hormone,MIH)脳下垂体  後葉・抗利尿ホルモン、血圧上昇ホルモンとも呼ばれる
 ( Antidiuretic hormone,ADH)
・オキシトシン (Oxytocin, OXT)中葉・インテルメジン(intermedin)
 メラニンの合成促進を促すホルモン。前葉・αサブユニット糖タンパク質ホルモン
・卵胞刺激ホルモンまたは濾胞刺激ホルモン
 (Follicle stimulating hormone, FSH)
・黄体化ホルモン(Luteinizing hormone, LH)
・甲状腺刺激ホルモン (thyroid stimulating hormone)
・ 成長ホルモン(Growth Hormone,GH)
・プロラクチン (prolactin, PRL)
・ プロオピオメラノコルチン
  ( Pro-opiomelanocortin, POMC)
・副腎皮質刺激ホルモン
 (adrenocorticotropic hormone,ACTH)
・ メラニン細胞刺激ホルモン
  (Melanocyte‐stimulating hormone,MSH)
・ エンドルフィン(Endorphin)
・ リポトロピン (Lipotropin)

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脳下垂体

脳下垂体 ( ホルモンを分泌の部位 )

脳下垂体(のうかしゅいたい)は、多くのホルモンを分泌する内分泌器官。脳に接して脳の直下(腹側)に存在。内分泌器官である下垂体には、血管が非常に発達しており、分泌されたホルモンが効率よく血流に乗って全身に運ばれるようになっている。下垂体前葉のホルモンの分泌を調節するホルモンは、視床下部から分泌されており、下垂体を通る血管のうちの一部は、視床下部を経由してから下垂体に入るため、視床下部の分泌調節ホルモンの刺激が効率よく下垂体前葉に伝わるようになっています。一方、下垂体後葉ホルモンは、視床下部の神経細胞で産生され、神経細胞の軸索を通して運ばれます。この軸索は視床下部から下垂体後葉にまで達しており、ここで血管に放出されます。

分泌ホルモンの種類:
前葉
 ・ACTH (副腎皮質刺激ホルモン:adrenocorticotropic hormone)、 
 ・GH (成長ホルモン:growth hormone)
 ・PRL (プロラクチン:prolactin)、 
 ・TSH (甲状腺刺激ホルモン:thyroid stimulating hormone)
 ・LH (黄体形成ホルモン:luteinizing hormone)、 
 ・FSH (卵胞刺激ホルモン:follicle-stimulating hormone)

中葉
 ・MSH (メラニン細胞刺激ホルモン:melanocyte-stimulating hormone)

後葉
 ・OXT (オキシトシン:oxytocin)、
  中枢神経系では、扁桃体へ放出されれば警戒心が解け、側坐核へ放出されれば快感を感じます。
  末梢神経へ放出されれば、平滑筋の収縮に関与して分娩時の陣痛、子宮収縮、乳腺の筋線維を収縮させ乳汁
  分泌される。
 ・VP(=ADH) (バソプレッシンまたは抗利尿ホルモン:vasopressin)
間脳のおはなし  間脳のおはなし間脳のおはなし
   脳下垂体の位置
   出典画像:Anatomography

脳下垂体

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松果体

松果体 (メラニン分泌器)

松果体(しょうかたい)は、脳にある小さな内分泌器。
脳内の中央、2つの大脳半球の間に位置し、2つの視床が結合する溝にはさみ込まれている。概日リズムを調節するホルモン、メラトニンを分泌することで知られている。

松果体細胞の構成は、4種類の細胞がある。
・松果体細胞は、4から6の突起がある細胞体からなる。メラトニンの生産と分泌を行う。
・間質細胞は、松果体細胞の間に位置する。
・血管周囲性の食細胞は、松果体には多くの毛細血管があり血管周囲性の食細胞はそうした血管の周りにある。
・松果体ニューロンは、高度な脊椎動物には松果体にニューロンが存在する。

ペプチド含有ニューロン状細胞は、ニューロン状のペプチド含有細胞が存在。
パラ分泌を調節する機能があると考えられる。

支配を受ける神経は、
・松果体は上頚神経節から交感神経。
・蝶口蓋動脈と耳神経節からの副交感神経。
・神経ペプチドPACAPを含む神経線維によって、三叉神経節。
間脳のおはなし  
松果体の位置
出典画像:Anatomography

松果体

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脳室

脳室 (脳部位に栄養補給・酵素を供給、老廃物を代謝、衝撃から脳を守る)

脳室(のうしつ)は、脳の中心部に位置した空洞、小部屋で、脳室の壁にある脈絡叢で分泌(産生)された脳脊髄液(液体)を第3脳室、第4脳室へ流し脳の各部位に栄養補給、酵素を供給。また、老廃物の代謝を行う。

脳室の分類は、
側脳室:左右の大脳半球にある。室間孔(モンロー孔)で第3脳室とつながる 。
第3脳室(間脳に位置する):左右の大脳半球間にあり、中脳水道を介して第4脳室につながる。
第4脳室(橋・延髄の背側と小脳の間にある):マジャンディ孔、ルシュカ孔という穴が あって脳表面とつながっている。

脳脊髄液は、脈絡叢で血液より産生される。 脳室系を循環し、マジャンディ孔、ルシュカ孔から脳表に流れ出る。 脳表面や脊髄表面のクモ膜下腔を潤した後、クモ膜顆粒(絨毛)で血液中に吸収されます。
脳脊髄液の量は、大人で約150cc、1日の生産量は、約450~500cc位で常に生産、循環が行われ約3回/日、入れ替わり一定量を保ち圧力も一定に保たれています。

脳は、脳脊髄液に包まれており外部からの衝撃のクッション役とも成ってます。また、血液から栄養供給を受け、脳脊髄液により栄養補給を受けています。
脳脊髄液と血液の間では物質交換を制限する機構があり血液脳関門(blood-brain barrier, BBB)と呼ばれています。
脳室間脳のおはなし  間脳のおはなし
脳室の位置




メラトニン(めらとにん)
/ melatonin /
松果体(しょうかたい)から分泌されるホルモン。魚類や両生類に始まり、鳥類、齧歯(げっし)類、ヒトを含めた霊長類に至るまで多くの動物で産生され、繁殖や渡り鳥の飛来などの季節性リズムや、日々の睡眠や体温、ホルモン分泌などの概日リズム(サーカディアンリズム)の調節に関わっている。


メラトニン(Melatonin, N-acetyl-5-methoxytryptamine)はその大部分が脳内の松果体で産生されるホルモンです。メラトニンは必須アミノ酸のトリプトファンを原料(基質)として合成されます(図)。その過程で、セロトニンをN-アセチルセロトニンに変換するN-アセチルトランスフェラーゼ(NAT)の活性が体内時計と外界の光の両者の調節を受けます。具体的には、体内時計(視床下部の視交叉上核:しこうさじょうかく)が発振する概日リズムのシグナルは室傍核(しつぼうかく)、上頸神経節を経て松果体に伝達されてNAT活性を「抑制」します。体内時計の活動は昼高夜低であるため、結果的に松果体でのメラトニンの産生量、すなわち血中メラトニン濃度は逆に昼間に低く夜間に高値を示す顕著な日内変動を示します。
メラトニンの分泌パターン

NAT活性は外界の光の影響も受けます。光が瞳孔を通って網膜にあるメラノプシン発現網膜神経節細胞(intrinsically photosensitive RGC:ipRGC)を刺激すると、そのシグナルが網膜視床下部路を経て視交叉上核に到達して体内時計を活性化し、上述の経路を通じてNAT活性を抑制します。日中は照度が数万〜十数万ルクスもある太陽光のような強い光によってメラトニン分泌量は著しく低下しますが、夜間であっても明るい人工照明が目に入ることによってメラトニン分泌量は低下します。例えば家庭照明の数百〜千ルクス程度の照度の光でもメラトニン分泌が抑制されることがあります(個人差あり)。ipRGCは青色光(ブルーライト)に反応しやすく、白色LEDには青色光成分が多く含まれているため、睡眠や体内時計を乱すのではないかと指摘され、「ブルーライト問題」として有名になりました。このように、メラトニン分泌は体内時計と環境光の両方から調節を受けています。
多くの生物でメラトニンは生体リズム調節に重要な役割を果たしています。鳥類での渡りのタイミングや季節性繁殖(メラトニンには性腺萎縮作用があります)などの季節のリズム、睡眠・覚醒リズムやホルモン分泌リズムなどの概日リズム(サーカディアンリズム)の調整作用があります。
(最終更新日:2024年2月1日)
三島 和夫
 三島 和夫
みしま かずお

秋田大学大学院 医学系研究科精神科学講座 教授
1987年秋田大学医学部医学科卒業。医師、博士(医学)。精神保健指定医、日本精神神経学会専門医・指導医、日本睡眠学会専門医。日本睡眠学会、日本生物学的精神医学会、日本時間生物学会の理事、日本学術会議連携会員などを務める。秋田大学医学部精神科学講座准教授、バージニア大学時間生物学研究センター研究員、スタンフォード大学睡眠研究センター客員准教授、2006年より国立精神・神経医療研究センター睡眠・覚醒障害研究部部長を経て、2018年より現職。これまでに睡眠薬の臨床試験ガイドライン、同適正使用と休薬ガイドライン、睡眠障害の病態研究などに関する厚生労働省研究班の主任研究者も歴任。

オキシトシンが分泌されると幸せな気分になります。また、集中力の向上、ポジティブになるなど幸福感が高まるため「幸せホルモン」とも言われています。

また、オキシトシンはさまざまな研究により、アルツハイマー病や自閉症の治療の可能性も示唆されています。

オキシトシンとは

オキシトシンは、脳の視床下部から分泌されるホルモンで、神経伝達物質のひとつです。
1906年にヘンリー・ハレット・デール博士(イギリスの研究者)によって発見され、1952年に分子構造が決定されました。
1955年には、化学合成が成し遂げられた功績によりヴィンセント・デュ・ヴィニョー氏がノーベル化学賞を受賞しています。

オキシトシンは、分娩時に子宮の収縮を促すことで陣痛を誘発したり、出産後に子宮の回復を促す効果があります。さらに、母乳の分泌にも関与しています。

これまでは、妊娠・出産に関連する女性特有のホルモンとして認識されていましたが、最近の研究により、オキシトシンは老若男女を問わず全ての人に分泌されることが分かってきました。

オキシトシンは母乳の分泌にも関与

オキシトシンの効果

オキシトシンには不安や心配などを緩和させてくれる働きがあります。オキシトシンが分泌されると副交感神経が優位に働くようになり、心身ともにリラックスするためストレスを軽減させてくれるのです。

また、心臓にはオキシトシンの受容体が存在し、オキシトシンが心臓の働きに影響を与えることが分かっています。一般的に、オキシトシンは血管を広げて血圧を下げる作用があるため、心拍数が低下することでストレスから心臓を守る働きがあると考えられています。

他にも、オキシトシンには、安らぎを感じる効果や、信頼感や共感が高まる効果、痛みが感じにくくなる効果、そして食欲を抑える効果などがあり、これらの効果は健康を維持するための基盤を築き、自然治癒力を引き出すために役立っています。

オキシトシンには不安や心配などを緩和させてくれる働き

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オキシトシンの分泌を増やすには

では、どのようなことをすればオキシトシンの分泌を高めることができるのでしょうか。その方法は多々ありますが、心や体が心地よいと感じることによりオキシトシンが分泌されることが明らかになっています。

例えば赤ちゃんと母親の場合では、授乳(触覚刺激)、見つめあう(視覚刺激)、におい(嗅覚刺激)、泣き声(聴覚刺激)によってオキシトシンの分泌が促進されます。

母親以外では触覚刺激が重要である可能性が高く、皮膚刺激による興奮が脳に伝えられることで、心地よさの誘発とともにオキシトシンが放出されるとされています。

マッサージの研究では、15分間の背中の施術で血液中のオキシトシン量が増加することが確認されました。その際、マッサージはゆっくりとした速度(秒速5cm)で皮膚に圧をかけながら触れることに効果があります。

心や体が心地よいと感じることによりオキシトシンが分泌される

ポイントは、
1)あたたかい手で
2)ゆっくり
3)てのひら全体で
4)優しく圧をかける

またこのようなマッサージやスキンシップの場合、触れられる側だけでなく触れる側のオキシトシンの分泌も高まることも分かっています。

マッサージやスキンシップ

他には、人との会話、動物との触れあい、スポーツをする、新しいことにチャレンジする、親切な行動をするといったことでもオキシトシンの分泌が高まるとされています。

3つの幸せホルモン

「オキシトシン」、「セロトニン」、「ドーパミン」は3つの幸せホルモンと呼ばれています。

3つの幸せホルモン

さらに、「オキシトシン」が分泌されることに伴い、神経伝達物質である「セロトニン」や「ドーパミン」の分泌を促進させる作用があることが分かっており、相互作用によりストレス緩和につながります。

「セロトニン」とは、脳内の神経伝達物質のひとつです。他の神経伝達物質であるドーパミンやノルアドレナリンを制御し、精神を安定させたり、頭の回転をよくするなど脳を活発に働かせる働きがあります。

うつ病患者やパニック障害などの精神症状では、セロトニンの分泌が極端に少ないことも明らかになっており、ドーパミンやノルアドレナリンのバランスが崩れることで引き起こされるといわれています。

セロトニンの分泌を増やすには、日光を浴びる、ウォーキング、しっかり噛んで食べることが良いでしょう。

日光を浴びるとセロトニンの分泌が増える

「ドーパミン」とは神経伝達物質のひとつで、意欲を感じたり、快く感じたり、感情、記憶、意識、理解などの心の機能に関与しています。アルコールを飲むことによって気分が良くなるのもドーパミンが放出されることで脳内の報酬系という神経系が活性化するためです。

ドーパミンの分泌を増やすには、身体を動かす、好きな音楽を聴くなどがおすすめです。

好きな音楽を聴くとドーパミンの分泌が増える

オキシトシンと子育て行動との関係性

動物の子育て行動の研究にて、オキシトシンが子育て行動に関与していることとそのメカニズムが明らかになったという報告があります。

マウスを用いた実験により、オキシトシンと結合するRAGE(AGE特異的受容体)が養育行動を引き起こすための重要な役割を担っていることが明らかにされました。

RAGEを持たないマウスではオキシトシンが分泌されていても養育行動が行われず子の生存率が低い状態でしたが、遺伝子操作でRAGEを戻したマウスはオキシトシンがRAGEと結合することで脳内に移行された結果、養育行動により子の生存率が有意に高まったことが確認されました。

この研究により、血液中オキシトシンがRAGEに作用する脳内移行の分子メカニズムが明らかにされました。

※RAGE:AGE特異的受容体(Receptor for AGE):AGEの中でも、老化や自然疾患に関わる受容体。
※AGE:最終糖化産物(Advanced Glycation End-products):強い毒性を持ち、老化の原因と言われる物質。
※糖化:タンパク質と糖が結びつくことで細胞を劣化させること。
※受容体:体内外の分子などを受け止めるたんぱく質のこと。キャッチボールでいうグローブのような役割。

参照文献:愛情ホルモン「オキシトシン」の分子作用メカニズムを解明!
https://www.kanazawa-u.ac.jp/rd/65488

オキシトシンがアルツハイマー型認知症における
「認知機能の低下」を改善させる可能性

オキシトシンがアルツハイマー型認知症に関する認知行動障害の改善に期待を持てるとされています。

アミロイドベータ(Aβ)が脳内に蓄積すると脳神経が障害を受けアルツハイマー型認知症を発症するとされています。その為、アミロイドベータを投与したアルツハイマー型認知症モデルマウスを用いて、認知機能の改善を試みるテストが行われました。

その結果、マウスにオキシトシンを脳室内投与したところ、認知行動障害に改善が見られました。

しかし、直接脳室内投与をする事は、今後の臨床試験には不向きである事から特定のアミノ酸配列を付加し、オキシトシンの脳内への移行性を向上させた「誘導体化オキシトシン」の経鼻投与による実験が行われました。そしてこの場合でも効率よくオキシトシンが脳内へ移行することが分かり、認知行動障害の改善について脳室内投与と同じような結果が確認されました。

※ただし、オキシトシンの経鼻投与では効果はありませんでした。

この結果から、誘導体化オキシトシンがアルツハイマー型認知症の治療薬となることが期待できると示されました。

※アミロイドベータ(Aβ):アルツハイマー型認知症の特徴である 認知障害やシナプス可塑性に関連したタンパク質のこと。

※シナプス可塑性(かそせい):学習や記憶の過程として考えられ、神経系が外界の刺激などによって常に機能的、構造的な変化を起こしている性質のこと。

参照文献: オキシトシン経鼻投与でアルツハイマー型認知症に関連する認知行動障害を改善
~アルツハイマー型認知症の新たな治療薬開発へ一歩前進~
https://www.tus.ac.jp/today/archive/20221024_5682.html

オキシトシンが自閉症の治療につながる可能性

自閉症スペクトラム障害における対人コミュニケーション障害の改善に、オキシトシンの有効性が確認されました。

自閉症スペクトラム障害の方は、他人の表情や言葉以外の行動から気持ちを読み取ることが苦手な傾向があります。そしてこの事は「内側前頭前野の活動低下」が関与しているとされています。

今回の研究は40名の自閉症スペクトラム障害の成年男性を対象として行なわれたもので、オキシトシンをスプレーによって鼻から吸入することにより内側前頭前野の活動が活性化され、対人コミュニケーションの障害が改善されたことが明らかになりました。

この結果を基に、これまで確立されていなかった自閉症スペクトラム障害における対人コミュニケーション障害の治療開発が行われています。

※内側前頭前野:脳内の前頭前野の内側面に位置している。
前頭前野は脳の中でも思考、判断、想像、コミュニケーションなど人間らしい知能や情緒に関わる働きを司る。

参照文献:自閉症の新たな治療につながる可能性
https://www.h.u-tokyo.ac.jp/press/__icsFiles/afieldfile/2019/07/03/release_20131219.pdf

参考文献
●オキシトシンの多彩な生理作用
http://www.yamaguchi-endocrine.org/pdf/ueta201508.pdf
●オキシトシンと心身の健康
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhas/15/1/15_48/_pdf/-char/ja
●皮膚感覚と脳
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsop/42/2/42_9/_pdf
●e-ヘルスネット (厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/
●健康管理検定 (後援:文部科学省) 
https://kentei.healthcare/column/2201/ 

大名町スキンクリニック 院長 橋本 慎太郎

著者:大名町スキンクリニック 院長 橋本 慎太郎
金沢大学医学部卒、美容皮膚科クリニックを運営
https://m-beauty.jp/about/dr.html

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